中国国家副主席との会見で、宮内庁長官発言要旨 (1/2ページ) (MSN産経ニュース)

宮内庁長官の言い分は以下の通り。

  • 今回の会見設定とルールとの整合性はどう考えるか。

残念なことをせざるを得なくなった。単なる事務ルールのことではない。陛下の役割は国の外交とは違う。国と国の間に政治的懸案があれば陛下を打開策に、となれば憲法上の陛下のなさりようが大きく狂うことになる。

  • 陛下の政治利用につながるという懸念がある。

大きく言えばそうでしょう。その意見に対して「何を言ってるんだ」とは言いにくいし、つらい。苦渋の思いだ。陛下の国際親善は政治的な重要性や判断を超えたところにある。天皇陛下の役割について非常に懸念することになるのではないか。政治的判断としてお願いするのはどうなのか。
中国国家副主席との会見で、宮内庁長官発言要旨 (2/2ページ) - MSN産経ニュース

一方、鳩山首相の言い分
【鳩山ぶら下がり】(2完)天皇陛下の会見設定「杓子定規は正しいのか」(11日夜) (1/3ページ) (MSN産経ニュース)

  • −中国の習近平国家副主席との天皇陛下との会見について。直前1カ月までに申請するというルールがあったにもかかわらず、なぜ首相は指示をしたのか。長官によると7日に指示したとのことだが、なぜ直前に出したのか。7日は小沢一郎民主党幹事長と会った3日後で、小沢さんから頼まれたという話もあるが本当か

「まず、小沢幹事長からお話があったわけではありません。そこだけは明確にしておきます。1カ月ルールというのは存じ上げてはおりました。しかし、1カ月を数日間切れば、もう杓子(しゃくし)定規でダメだというようなことで、果たしてそれが本当にたとえば諸外国との国際的な親善の意味で、正しいことなのか。本当に重要な賓客が日本に来られたときには、もともと来られることが分かっておられるということでありますだけに、その正確な日程が、必ずしも決まらなかったということで、遅れ遅れになったのは事実だと思います。しかし、そこは、あまりにも杓子定規ということよりも、当然、天皇陛下のご体調のことは一番、気にしなければなりませんが、そこに差し障りのない範囲で、できるだけ天皇陛下にもお会いになっていただければという思いがありましたものですから、私の方から官房長官に指示をして、『できれば両立ができるような解決はないか』と申したところです」

  • −ただ、羽毛田信吾宮内庁長官は会見で「これは政治利用にあたるかもしれない」という見解を示した。「大変残念で、こういうことは二度とないようにしてほしい」とコメントしたが

私はいわゆる賓客が来られたときの判断、これは別に政治利用ではなくて、国際的なある意味での諸外国との日本との関係をより好転させるための、天皇陛下のできればという話でありますから、私は政治利用という言葉はあたらない。そのように考えています」

■1カ月を数日間切れば、もう杓子(しゃくし)定規でダメだというようなこと
朝日新聞の記事によると、最初の申し入れは11月26日とのことです。1か月ルールに照らし合わせれば、12日も短い計算になり、鳩山首相が言われるような「数日」と食い違います。

すうじつ 0 【数日】
二、三日から五、六日程度の日数。
※goo辞書で検索

■果たしてそれが本当にたとえば諸外国との国際的な親善の意味で、正しいことなのか。本当に重要な賓客が日本に来られたときには、(略)
陛下が行われる「国際的な親善」は、政治的判断ではなく外交上のプロトコールにのっとり決められるべきものです。陛下への謁見に設けられた「1か月ルール」とは、政治的判断の介入を遠ざけ、政治利用されないための予防線です。政治家が手を突っ込んだ時点で「天皇陛下の政治利用」を疑われたとしても当然です。鳩山首相の言い分では説明になりません。
ところで「重要な賓客」はどのような基準で誰が判断するのでしょうか。まさか政治家(内閣)が判断する・・・とは言いませんよね。

■私はいわゆる賓客が来られたときの判断、これは別に政治利用ではなく(略)
「賓客」の判断を政治家したのであれば、陛下への謁見の判断に政治的介入の余地を与える前例になります。鳩山首相の言を信じて、今回に関しては「陛下の政治利用」でないとしても、今後「陛下の政治利用」の可能性を残したのですから、責任は極めて大きいです。